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2014年04月22日 [物件調査]

≪不動産投資≫「風」という要素と住環境

さて、今日は、通風についてのお話です。

われわれ日本人は、住環境を考えるうえで、
日当たりについてとても重視します。

持ち家に限らず、賃貸住宅に住む場合でも、
内見の際には、お部屋の採光を気にすることが多いです。

角部屋で2面採光のお部屋などは、入居者に大変好まれます。

ところが、住環境の良さを左右するという意味では、
採光と同じくらい重要であるはずの通風が
ないがしろにされている感じがします。

不動産投資家という視点からしたら、
なおさら、物件入手の際のポイントにはなっていないのではないでしょうか。

でも、風通しの良さはとても大切です。

そもそも、風というのはどうもつかみどころがありませんね。

家づくりを行う際や、中古の建築物件を買う際にも、
チェックポイントから漏れている、といっていい要素だと思います。

2003年7月に施行された改正建築基準法では、
新築住宅のすべての居室に機械換気設備の設置が義務化されました。

通風に関しては、もっぱら機械換気に頼るということなのですが
そのような暮らしに疑問を抱く方も多いと思います。

東日本大震災以後の電力問題、節電問題などもあるので、
窓を開けて自然の換気に心がけるという人も多くなるでしょう。

そもそも中古の不動産投資物件では、換気設備自体がついていない物件も多いです。

では、新築物件の企画では、どのような方位を考慮して、
通風を確保しやすい窓の配置を考えていったらいいのでしょうか。

また、古い建築物件、収益物件を購入するうえで、
どのような方位に窓がある物件を購入すればいいのでしょうか。

実際のところ、なかなか答えは出せませんね。

論理的、戦略的思考で考えれば…

日本で、風と言えば季節風を無視できません。
この季節風は、冬は北から、夏は南から風が吹くことが多いです。
だとすれば、南北に窓が配置された物件が通風上は有利であるのでは…


と言えるかもしれません。

さらに、風の通り道になりそうな窓の外に、
遮断してしまう障害物がないことが理想です。

ただ、理屈ではそうなのですが、
本当のところは、やはり実際に住んでみないと分からない
というのが結論になってしまうのではないでしょうか。

ただ、物件調査のプロとしてこのままで終わったら、
物足りないので、一つ調査ノウハウをご紹介します。

風について、

気象庁の観測データを利用して、
ある程度の風向や風の状態を知る方法があります。


では、具体的にご説明します。

気象庁のホームページ(トップページ)から、
「気象統計情報」のページに進みます。
そして、「過去の気象データ検索」をクリック。

ページが出たら、「地点の選択」「年月日の選択」「データの種類」を
それぞれ指定します。

観測地点については、ターゲット物件の所在地に近い地点を選びます。
もし、同一市町村に観測地点があれば、かなり参考になるデータが
得られる可能性があります。

次に、年月日の選択についてです。
風向について言えば、特に夏場の風通しが重要なので、
直近の年の7月や8月を選び、日にちは指定しないで大丈夫です。

データの種類については「〇年〇月の日ごとの値を表示」を選択すれば、
それぞれの日のデータが一斉に表示されるでしょう。

あとは、30日間ないし31日間の

「最多風向」の欄を見ていけば、
その地点での風向の傾向がつかめます。


そして、その風向に窓が配置されている物件なら、
風通しがいい物件である可能性が高くなります。

現時点では、賃貸住宅の客付けの要素として、
「風向」「通風」という要素が重視されることはないと思いますが、

風通しの良さという要素は、
住環境の快適さや、物件を長持ちさせるという点から、
賃貸住宅でも、重要ポイントとなります。

また、今日の通風というテーマからははずれますが、
リスクヘッジという視点からも、風は重要なポイントと言えます。

さきほどの観測データで、

「平均風速」「最大風速」をチェックしていけば、
その地点が風の強い所なのか、弱い所なのか、感触がつかめます。


風が強くて、しょっちゅう何かモノが飛んでくるとか、
洗濯物が度々飛ばされてしまうなど
生活するうえで、風が生活を不快にする恐れがあります。

また、不動産投資物件であれば、プラスアルファの収益を目指して、
屋上や壁面に広告看板を設置しているかもしれません。

そのような設備が強風によって飛ばされて、
思わぬ事故トラブルに巻き込まれるかもしれません。

風の強いところであれば、
風の強さが、賃貸物件の弱点になる可能性があるのです。

逆に、プラス思考で考えれば、

遠い将来、クリーンエネルギーの一つ、
風力発電ができる物件として脚光を浴びる日が来るかもしれません。

世の中、何が起こるか、完全に予想することができる人はいないので、
ただのリスク要因でしかないのか、
新たな利益を生むような存在になるのか、
あれこれ考えてみてください。

購入を検討する物件が出てきたら、
ぜひ一度、気象庁のデータで風のチェックもしてみてください。

面白い発見があるかもしれません。



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