2016年05月08日 [物件調査]
≪不動産投資≫空室率調査は需給状況を正確に反映するか
■周辺で大規模プロジェクトがある場合は要注意!
本日のテーマは、
「空室率調査は需給状況を正確に反映するか」というお話です。
私は、
不動産投資をテーマにしたセミナーで
お話をさせていただくとき、
必ず「4つの賃貸力」について説明しています。
この「4つの賃貸力」とは、
@ 物件の賃貸力
A エリアのもつ賃貸力
B 不動産業者の賃貸力(客付け力)
C 大家さんが作り出す賃貸力
です。
どれもが賃貸経営を成功させるためになくてはならない
賃貸力ですが、
物件を購入する際に、
多くの不動産投資家さんの視点で欠けがちなのが
Aのエリアのもつ賃貸力です。
エリアのもつ賃貸力とは、
どれだけその地域が魅力的で
賃貸のお客さんを引き寄せられるかということ、
早い話が、物件周辺の需給状態です。
需給状態のいいエリアで不動産投資を行った方が、
成功の近道であるのは当然のことですよね。
では、どうすれば、エリアの賃貸力が分かるのでしょうか。
足で稼いで実際にどれだけ、賃貸住宅が稼働しているか、
自分で調査するのが簡単で確実です。
私が、よく質問を受ける事柄に、
どれくらいの範囲を調べればいいのですか、というのがあります。
その答えは、ある程度住宅が密集している都市部では、
物件を中心にして半径200〜300mで十分です。
傾向をつかむことができます。
あなたがすべきことは、
ゼンリン社の住宅地図(図書館でコピーできます)を用意しておいて、
アパートやマンションと思われるところを回り、
どれだけ稼働しているかをその地図に書き込んでいけばいいのです。
書き方は自分が分かればOKです。
各階4戸ずつの2階アパートで、
1、2階とも1戸ずつ空室があったら、
1F○○×○、2F○×○○のように、
住宅地図の空いているところにメモしていけばいいのです。
空室かどうかをどこで判断するかは、
窓のカーテンがあるかどうか。
電気メーターの動き、
ガス栓の開閉でみれば簡単です。
ただし、足で稼ぐ空室率調査は需給状況を見るのに、
大変有効な方法なのですが、
誤差が大きく発生するケースがあります。
実は、調査を行う時期の問題です。
3月や4月に調査をすると、
賃貸のお客さんの入退去が激しいので、
どうしても誤差が大きくでてしまうのです。
このような時期に売り物件が出て、
調査をしなければならない場合には、
出てきた空室率の結果に、
プラス、マイナス20%の誤差は
見込んでおいた方が賢明です。
たとえば、空室率の結果が15%であれば、
12%〜18%の範囲で考えればいいでしょう。
空室率調査の結果が、
需給状況の実情を正確に反映しないケースで
注意すべき事項をもう一つご紹介します。
それは、
ターゲットの物件が郊外に立地していて、
周辺で大規模な再開発プロジェクトが実施されている場合です。
このような場合に何が起きるでしょうか。
実は、再開発プロジェクトで大きな工事が始まると、
多くの社員や作業員のために
事業を担当する企業が、
周辺の賃貸物件を借り上げることがあるのです。
そうすると、
周辺の空き物件が一時的に埋まることがあるのです。
周囲の空室率が10%も下がるケースもあります。
しかし、そんなときに空室率調査をして、
いい結果に気分をよくして不動産投資物件を購入したら、
その後、プロジェクトが終了し、
借り上げ物件の空室が一気に増加したなんてことが起こるのです。
空室率が悪化した状態がむしろ真の姿なのです。
ですので、
不動産投資物件の購入判断をするために需給調査をする際には、
周辺の再開発プロジェクトも十分にチェックしておくべきです。
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