2017年01月15日 [不動産投資マーケット]
«賃貸経営»「民泊」が賃貸住宅の家賃を高騰させる?
■パリではアパート大家が収益性の高い「民泊」へ転用
賃貸住宅が減少し、家賃高騰を招く
海外からの訪日客の増加に対応するための「民泊」の導入が話題になり、賃貸経営の現場では、それぞれの地域の条例を含め、最終的に、どの程度、規制が緩和されるかに注目が集まっています。ただ、この「民泊」が増加すると、アパートやマンションの賃貸住宅の家賃が、高騰してしまうのではないか、という不安の声が出ています。
そんな話が出てきているのは、フランス・パリの事例がもとになっているようです。AFP通信が2015年5月につたえたところでは、
フランスのパリでは、アパート所有者の多くが、自身の物件を、本来の賃貸使用ではなく、より高い収益性が見込める「民泊」用に稼働させているというのです。
その結果、
それまで一般賃貸向けに出ていた物件が減少し、需給が悪化。
パリ市内の家賃が著しく高くなってしまったというのです。
パリでは、住宅不足がかなり深刻化しているそうです。パリは、「民泊」利用のマッチングサイト「Airbnb」で世界一物件登録が多い地域となっています。物件数で約6万件、ベッド数で約20万床の登録があります。20万という数字は、ホテルの収容数の約2倍にあたるそうです。フランスでは、「民泊」の規制が強化され対策が講じられました。
また、ドイツ・ベルリンでも、住宅が「民泊」に回され、家賃高騰の現象が起きて、まるまる貸し出す形態の「民泊」は事実上禁止になりました。
さて、東京や大阪、京都など、日本では今後どうなるでしょうか。確かに、現在でも、東京都心部では、ホテルとマンションが建設用地の入手を巡り、激しく競い合い、土地価格が上昇しているところがあります。一部のエリアでは、全く影響がないとは言えないかもしれません。
ただ、日本には全国で空き家が820万戸もあります。
東京だけでも空き家は80万戸以上です。賃貸住宅の空室に限っても全国で400万戸以上あるのです。
フランスにやってくる観光客らは年間約8000万人。一方、日本は現在のところ、約2000万人。東京オリンピックが開催される2020年には4000万人という目標はありますが、「民泊」が賃貸住宅の需給をそこまで悪化させるかは疑問です。
そもそも、
今後の為替相場がどう動くかも、きわめて不透明です。
大きく円高に振れれば、訪日外国人から見れば、日本は「物価の高い国」になります。そうなれば、当然、訪日客の増加にブレーキがかかります。
長い目でみれば、訪日客は増加傾向であるのは間違いないでしょうが、日本国内が抱える空き家・空室在庫でも対処できないような訪日外国人の急増があるでしょうか。最終的には、「民泊」事業参入への規制緩和がどの程度のものになるかにもよりますが、パリやベルリンのように「民泊」が、賃貸住宅の需給状況を崩し、アパートや賃貸マンションの家賃相場に大きなインパクトを与えるほどの影響は現状では考えにくいと思われます。
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